岩手県矢巾町 リサイタル
2011年06月13日 14:22
6月12日岩手県矢巾町にある田園ホールで、『田園ホールピアノシリーズVol. 1 中村紘子ピアノ・リサイタル』をしました。
このホールは、県内初の本格的音楽ホールとして約20年前に建設されたもので、響きがとても良く、まわりにはのどかな田風景が広がり、外壁の音符マークがとても素敵でした。(K)
この度の東日本大震災で、矢巾町は震度6弱という強い揺れに襲われました。岩手県の中心部に位置するため、津波はなかったと伺いましたが、それでもしばらくの間ホールを使用することはできなかったそうです。主催の方々は、このような状況の中無事中村の公演日を迎えることができ、とても喜んでおられました。そして、「中村さんの演奏でお客さんも元気になると思います!」と、力強く話して下さいました。
6月9日付けの岩手日報に、中村のメッセージが掲載されました。
「大震災から三カ月。私が昨年演奏をした陸前高田市は波にのまれ、私のコンサートの担当だった市の職員の方や聴きにいらして下さった方々の少なからずが、帰らぬ人となられました。私はここに深い哀悼の意を捧げると共に、残された方々のために全身全霊をこめて演奏しようと思います。絶望の中に、一条の明るい希望の光をともすためにも。」
想いのこもった中村の演奏に、会場は温かい拍手に包まれました。皆さんの笑顔がとても印象的でした。