5月1日、東京・上野
この夜は、東京・上野の東京文化会館で行われた日本演奏連盟主催の「第20回記念〜スペシャル・ガラ・コンサート」に出演しました。クラシックの演奏家が多くが加入している日本演奏連盟では、1989年から年に1度、会員の音楽家によるユニークな演奏会を企画していますが、今回は第20回を記念して、その名も<スペシャル・ガラ・コンサート>と名付けられ、さまざまな顔ぶれが一堂に会して会場を盛り上げました。
顔を揃えたのは、フルートの高木綾子さん、ハープの吉野直子さん、ピアノの清水和音さん、ヴァイオリンの堀米ゆず子と大谷康子さん、ソプラノの高橋薫子さん、チェロの堤剛さん、そして、中村です。この日のためにフェスティバル・オーケストラも編成され、その指揮台には飯森範親さん。モーツァルトの歌劇《フィガロの結婚》序曲でコンサートの幕が開きました。
前半は高木さんと吉野さんがモーツァルトのフルートとハープのための協奏曲から第1楽章を演奏。清水さんがベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番《皇帝》から 第1楽章を弾き、堀米さんがラロのスペイン交響曲から第5楽章を演奏しました。一方、後半は高橋さんがヴェルディの歌劇《椿姫》より アリア「ああ、そはかの人か」を熱唱した後、大谷さんがサン=サーンスのヴァイオリン協奏曲第3番から第3楽章、堤さんはドヴォルザークのチェロ協奏曲から第1楽章と続きます。そして、最後のトリを中村が務めました。
しかし、その時、既に時計の針は午後9時過ぎ。出演した演奏家と飯森さんのトークが盛り上がり過ぎて、どんどんスケジュールが遅れていったからです。中村の前の堤さんも東京文化会館での思い出を語ったのですが、時折声を詰まらせながらの感動的なスピーチとなり、会場にも熱いものが走ります。その後の、中村のチャイコフスキーが会場をさらに熱くしました。ピアノ協奏曲第1番の第1楽章。終わって満員の聴衆の喝采を浴び、音楽の宴を華やかに締め括ることになりました。